応募の概要
薬剤による生体への作用は薬物動態(pharmacokinetics:PK)と薬力学(pharmacodynamics:PD)により左右されます。一般に高齢者や臓器機能障害を有する患者は薬物動態が変化しており、健常人と同じ投与量であっても薬物血中濃度が大きく異なることがあります。また、薬剤に対する生体の反応性も加齢等により変化することがあり、高齢者や臓器機能障害を有する患者への薬物治療にはPK/PDに配慮した対応が必要となります。個々の患者に最適な薬物治療を実施することが、再発予防だけでなく、患者の生活の質(Quality of Life:QOL)や日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)の観点からも重要であり、そのためのエビデンス構築が急務となっています。
高齢者がん患者、または臓器機能障害のある患者を対象とした、抗悪性腫瘍薬の至適投与量を予測するモデルを構築する研究課題を募集します。高齢者や臓器機能障害患者などスペシャルポピュレーションにおける抗悪性腫瘍薬治療のPKデータおよび有効性・安全性の情報を収集し、加齢の程度や臓器機能に応じた推奨用量の提案と治療ガイドラインへの反映につながる研究開発課題を求めます。