応募の概要
農林水産省では、2019 年 11 月に成立した「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」に基づき、2030 年までに農林水産物・食品の輸出額 5 兆円の達成を目指しています。水産物ではブリを輸出重点品目の一つに指定し、2021 年7月に改訂された「養殖業成長産業化総合戦略」の中で、2030 年までにブリ類の輸出額を 1,600 億円とする目標を掲げています(2020 年実績:173 億円)。
我が国の輸出ブリの約8割が冷凍で流通している中、魚肉自体の鮮度を保持できる冷凍技術は普及しているものの、血合筋において解凍直後に褐色を呈する色調変化(褐変)が生じるため、外見の劣化等による商品価値の低下がブリ類の輸出拡大のボトルネックとなっています。ブリ類の血合筋で生じる褐変を防ぐ方法として、血合筋の一酸化炭素(CO)処理が普及していますが、CO 処理された水産物の流通はアメリカ等のごく一部の国でしか許可されておらず、販路拡大を目指す EU やアジア等でも活用できる新たな褐変防止技術の開発が求められています。
このため、本事業では、ブリ類を対象として、CO 処理に替わる新たな魚類血合筋の褐変防止技術を確立することを目的に、魚肉への酸素充填等を活用した革新的冷凍技術の開発を推進します。