応募の概要
農林水産省では、2022 年 3 月に閣議決定された新たな「水産基本計画」に基づき、ブリ等の戦略的養殖品目の増産、海外への輸出拡大などを通じて養殖業の成長産業化への歩みを着実に進めることとしています。養殖業の増産にあたっては、天然資源に負荷をかけない持続可能な養殖体制への転換が重要となっており、「みどりの食料システム戦略」(令和3年5月みどりの食料システム戦略本部決定)では、ブリ、クロマグロ、カンパチ、二ホンウナギを対象として 2050 年までに人工種苗比率 100%の実現を目指しています。
しかし、人工種苗の普及拡大やそれに伴う養殖業の増産によって細菌感染症の発生件数の増加が懸念されています。また、水産用抗菌剤の使用量が増加すると、魚類病原細菌の薬剤耐性菌株が増加するため、養殖被害のさらなる拡大の可能性が想定されています。このため、人工種苗の普及を着実に進めるためには、ワクチン等による予防策に加えて、効果的な抗菌剤使用法の開発による治療策の強化が求められています。
本事業では、ブリ類のレンサ球菌症等をモデルとして、薬剤耐性菌株の出現を抑制する最適な抗菌剤の選択技術や、少ない使用量で投薬効果を最大化できる効果的な抗
菌剤の使用技術の開発を推進します。