応募の概要
国際協力型廃炉研究プログラム(日米原子力共同研究)では、1F廃炉の加速に資することを目的として、日米の関連する研究を融合・連携し、幅広い知見を集めて研究開発を推進するため、米国エネルギー省(以下、「DOE」という。)が実施する統合革新的原子力研究プロジェクト(CINR: Consolidated Innovative Nuclear Research)における原子力エネルギー大学プログラム(NEUP: Nuclear Energy University Program)の令和6年度(2024年度)の公募(公募期間:令和5年6月22日~令和5年12月20日)と連携して実施します。このため、共同研究を行う予定の米国側の事業代表者は、上記の米国側プログラムに申請することが条件となります。また、日米双方が採択に値すると判断した場合に採択となります。なお、日米共同研究として不採択となった場合でも、令和6年度の課題解決型廃炉研究プログラムに応募することができます。(1)日本側の募集<テーマ>高放射線環境下における放射線シミュレーション、計測、分析技術開発(New technologies to support measurement, analysis and visualization techniques for maintenance and recovery activities in high radiation environments)<ニーズ>1F廃炉では、燃料デブリや放射性廃棄物の性状把握(分析、計測等)の高度化が求められます。量・種類とも多い放射性物質の性状把握については、特性評価、定量評価の目的に応じた合理的な精度・分析頻度を目指すとともに、前処理・廃液処理を含む分析プロセスの迅速化・省力化、分析作業の被ばく低減等の改善すべき技術開発が必要です。一方、ALPS処理水の放出に伴い、環境モニタリング・環境試料の分析の重要性も増しています。環境試料は含まれる放射性核種が微量であるため、分析に要する時間が長くなる傾向があります。分析時間の短縮化、対象核種の効率的な捕集等の技術開発も必要です。そのために、放射線測定、放射化学分析、分光分析、質量分析、非破壊計測、物理/化学的特性の確認等のあらゆる方法を適用し、その場分析や廃炉サイト内外の分析施設にて用いる技術が必要になります。また、高汚染区域の高線量下での、作業員の被ばく低減に資する合理的な線量低減対策を実施するためには、最適な除染、遮へい、撤去などの作業計画を立案する 必要があり、汚染源分布の特定や線量率の測定により作業場所の状況を迅速に把握することが不可欠です。このためには干渉物を回避して自律的に行う遠隔測定、取得した計測データの高速・高度処理による三次元イメージング等の可視化、デジタル技術の適用による汚染核種の分布や濃度の逆推定、計測デバイスの耐放射線性の強化、エネルギー弁別、アルファ核種汚染検出、測定装置、システムの自動化や遠隔対応化・遠隔操作型無人潜水機(ROV)搭載に適するための小型化、等の高度化が必要になります。本プログラムで募集するテーマの研究開発成果の活用時期などニーズ側が求める詳細な内容については、『基礎・基盤研究の全体マップ』上に示す技術基盤研究の「可視化技術」、「測定・分析技術」を確認ください。『基礎・基盤研究の全体マップ』は1F廃炉を着実に進展させるためのニーズに基づいた研究開発の推進により課題解決を目指すため、JAEAが現場のニーズ、6つの重要研究開発課題、大学等が有する研究シーズ等を俯瞰的に分析して作成したものです。実施されている関連研究課題も記載しておりますので、参考にしてください。
併せて、本プログラムの成果の活用先である東京電力においても、「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」や原子力規制委員会のリスクマップに掲げられた目標を達成するための廃炉全体の主要な作業プロセスを示した「廃炉中長期実行プラン」が以下のウェブサイトにて公表されていますので、参考にしてください。
また、1F廃炉技術のニーズとして、これまでの先行研究との住み分けや新規応募者の拡大の観点から、他分野(例えば、医療や宇宙開発等)の先進技術の積極的な導入・融合を期待します。日本語(廃炉中長期実行プラン)
【URL】https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/plan/
応募の対象者
本事業に応募できるのは、自ら研究を実施する以下に示す国内の大学、研究開発機関、企業等とし、申請者は、申請する課題を取りまとめ運営管理を行う事業代表者(「計画の策定と提案書類の作成」参照)又は事業代表者が所属する機関の代表者とします。
・大学及び大学共同利用機関法人
・高等専門学校
・公立試験研究機関
・独立行政法人(国立研究開発法人※1を含む)、特殊法人及び認可法人
・一般社団法人又は一般財団法人
・公益社団法人又は公益財団法人
・民間企業(法人格を有する者)
・特定非営利活動促進法の認証を受けた特定非営利活動法人(NPO法人)
研究チームの構成に当たっては、各再委託先への特許権等の知的財産権の帰属について、あらかじめ受託者と再委託先の間で取決めてください。
なお、応募から事業終了に至るまでの間に研究者自らの意思に基づく応募資格の喪失、所属機関の変更、退職、人事異動、長期外国出張その他の理由により、事業代表者及び研究等(「課題」において実施する研究・人材育成等をいう。)の研究分担者(研究責任者、研究者)としての責任を果たせなくなることが見込まれる者は、事業代表者及び研究分担者となることを避けてください。特に、所属機関の変更が見込まれる者が研究分担者となる場合は、その可能性が生じた段階(応募前であれば、応募の段階)で、申し出てください。また、事業代表者の所属する機関が予算決算及び会計令第70条の規定に該当しない者であること※2、文部科学省の支出負担行為担当官等から取引停止の措置を受けている期間中の者でないこと及び暴力団等に該当しない者であることを必要としますので、所属機関の経理担当部署等に確認の上応募ください。さらに、委託契約の履行能力を確認するため、審査時に、機関の営む主な事業内容、資産及び負債等財務に関する資料等の提出を求めることがあります。なお、本公募においては、課題の申請時には暴力団等に該当しない旨の誓約書の提出は要しませんが、応募課題が採択された場合、提出を求める場合があります。
今回募集する本プログラムにおいては、日本側の研究資金はJAEAより配分され、米国側の研究資金はDOEより配分され、日米双方が採択に値すると判断した場合に採択となります。
そのため、共同研究を行う予定の米国側の事業代表者は、米国側プログラム※3に申請することが条件となります。
※1 JAEAに所属する者は、事業代表者としての応募はできませんが、連携機関としてJAEAに所属する者が研究体制に参画することは可能です。
※2 未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当します。
※3 【URL】https://neup.inl.gov/Lists/Headlines
/AnnouncementDispForm.aspx?ID=274
連絡事項
応募に際しては、書類の不備やシステムの混雑による遅れも考慮し、〆切日時に対して時間的余裕を持て提出してください。