応募の概要
(1)背景
医薬品市場に占める抗体医薬品等のバイオ医薬品の割合が増大している一方で、国内において、バイオ医薬品の開発・製造の専門家を有する企業は限定的であり、国内の生産拠点は少なく、基盤整備の遅れが指摘されてきました。このような課題に対応するため、令和4年度より、経済産業省が「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」を実施しており、デュアルユース機能を持つ実生産スケールの製造拠点が整備されつつあります。一方で、バイオ医薬品の製造プロセス開発・品質評価・分析・薬事等のバイオ医薬品開発(CMC;Chemistry,manufacturing and control)、および医薬品GMP(Good Manufacturing Practice;医薬品製造における製造管理及び品質管理の基準)に準拠した製造・生産に携わる人材は依然として不足しており、その育成が急務となっています。バイオ医薬品の開発・製造に携わる人材の不足については、製薬企業だけの問題ではなく、CMO(Contract Manufacturing Organization;医薬品製造受託機関)やCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization;医薬品開発製造受託機関)の問題でもあり、このような広範なニーズを踏まえて、適切な人材育成基盤を構築することが望まれています。
(2)目的と求められる成果
本公募課題では、バイオ医薬品の開発(CMC)・製造(GMPレベル)を担う人材に対するニーズを把握するとともに、これらの人材の育成に資する教育プログラムを作成することを目指します。特に、製造(GMP)に関しては、実生産スケールを想定した教育プログラムの作成が求められます。また、研究実施期間中に、実際に研修等を試行することで、受講者からフィードバックを受け、教育プログラムを充実させます。当該研究の成果は今後の人材育成プログラム開発、教育システム開発や、製薬企業等における実際の生産現場に直接役立つことが求められます。
(3)研究費の規模等
1) 研究費の規模:1課題あたり年間上限20,000千円(間接経費を含まず)
2) 研究実施期間:令和6年6月(予定)~令和7年度末(最長1年10ヶ月間)
3) 新規採択課題数:0~1課題程度
詳細は公募要領をご覧ください。
応募の対象者
応募条件等
1) 事業趣旨及び公募課題の目的と合致すること。
2) バイオ医薬品の開発・製造に係る最先端の理論や技術等に関する学習を組み合わせた教育プログラム(座学と製造実習)が具体的に企画・開発・作成されていること。
3) 育成の対象を明示し、段階を経たプログラムを設定すること。ただし、教育プログラム(座学および製造実習)は実生産に則したGMPレベルの内容であること。
4) 初年度に教育プログラムのプロトタイプを作成し、2年度に他機関への技術供与を含めてその実効性を検証する研究計画を策定すること。また、研究期間終了時に完成した教育プログラムと獲得したノウハウは、他の機関へ普及できる内容であること。
5) アカデミア又は企業の単独での応募も可としますが、バイオ医薬品製造・開発人材の裾野を広げるために企業内設備を用いた研修や企業の高度専門人材の派遣等の活用も検討すること。
6) 研究期間のみならず、研究期間終了後どのように継続・発展させるかについてのロードマップが明確な研究であること。
詳細は公募要領をご覧ください。