応募の概要
第3期SIP課題「統合型ヘルスケアシステムの構築」では、ヘルスケアデジタルツインによる医学知識発見・医療提供のサイクルの実現を目指し、令和5年度より5つのサブ課題で研究開発を推進している。SIPは研究開発から社会実装までを一気通貫で実施し、その手段として、ミッション設定型のアプローチを取る。
令和4年後半に登場したChatGPTに代表される生成AIは産業革命に匹敵する社会的インパクトをもたらすと見込まれ、世界的に開発競争が激化している。基盤技術として、テキストのみを取り扱う大規模言語モデル(LLM)に加え、画像など多様なデータを取り扱う大規模マルチモーダルモデル(LMM)の研究開発が進んでいる。わが国も早急に生成AIの開発・導入を進め、国際的な産業競争力の強化や国民の生活品質の向上を促進することが不可欠である。とくにヘルスケアデジタルツインにおいては、医療データの収集、標準化・加工、分析、分析結果の実務への応用とフィードバックといったサイクルのあらゆる場面で、生成AIがその実現を加速化する可能性を持つ。また、その応用範囲も診療支援、保健行政支援、臨床研究支援など多岐に渡る。
加えて、日本は国民皆保険制度に基づく悉皆性の高い医療情報収集基盤を有し、医療情報の標準化など医療DXの取組みが進展している。そのため、医療領域での高精度な生成AIの構築に求められる学習用の医療データを確保し、多様な用途に対応した生成AIを整備する素地を有する。一方で、日本語医療ドメインにおける生成AIの研究開発・事業化は依然として発展段階にあり、日本の医療システムと医療現場に即した形での社会実装を目指した研究開発が求められる。
本公募では、「統合型ヘルスケアシステムの構築」のさらなる成果創出を目的に、診療支援、保健行政支援、臨床研究支援としての社会実装を見据え、「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」の推進に係る事業者を募集する。
応募の対象者
○自らの研究開発構想に基づき、最適な実施体制により、研究開発責任者として当該研究開発テーマを推進できる研究者であること。
○国内の研究機関に所属して研究開発を実施できること。
※「国内の研究機関」:国内に法人格を持つ大学、大学共同利用機関、独立行政法人、国公立試験研究機関、特別認可法人、公益法人、企業等のうち、研究開発を実施している機関
○不適正経理及び研究活動における不正行為に係る申請資格の制限等に抵触していない研究者であること。
※「研究機関における公的研究費の管理・監査」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/kanrikansa/index.html
※「研究活動における不正行為への対応等」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000071398.html