応募の概要
(目標)
我が国においては、世界に先駆けて医薬品等の添付文書の電子化(XML形式)を推進し、医療現場に提供している。現在、我が国の医療情報分野において、HL7 FHIR形式での電子カルテ情報共有サービスの導入が検討されており、国際的には、添付文書の新しい標準規格として、HL7からFHIR Implementation Guide for Electronic Medicinal Product Information (ePI)※が策定されるなど、構造的に一般的互換性がある可動性の高いリソースモデルとしてHL7 FHIRの活用が進められている。
※http://hl7.org/fhir/uv/emedicinal-product-info/STU1/toc.html
医薬品の添付文書情報をHL7 FHIR形式で提供することで、電子カルテ関連情報や医薬品リスク管理計画に基づく情報提供資材など様々な媒体とのリンケージが可能となり、医療従事者の業務負担軽減や患者への情報提供の向上などにつながると期待される。そこで、本研究では、近年の医療情報分野の現状や国際整合の観点を踏まえ、XML形式からHL7 FHIR形式に変換するコンバータを作成し、添付文書情報のHL7 FHIR形式での提供に向けた基盤整備を図ることを目標とする。
(求められる成果)
・ 医薬品添付文書の電子化に係る欧米動向の調査(医薬品の固有識別子を含む)を行い、それを踏まえ、添付文書情報のデータ構造化対象を明らかにする。
・ XML形式からHL7 FHIR形式へのコンバータを作成し、実用可能性を確認する。実用可能性の確認のため、実際にHL7 FHIR形式に変換した添付文書データを100以上作成し提出する。その際、先行研究の成果等を適宜調査・活用する。
・ 添付文書情報のHL7 FHIR形式での提供に向けた基盤整備の推進策について国際的整合性も踏まえて提言をまとめる。