応募の概要
我が国におけるエイズ対策は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」(平成10年法律第114号)に基づき策定され、「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(エイズ予防指針)」(平成30年1月18日告示)に則って展開されています。
世界でのHIV感染者は2020年末現在時点で約3,760万人と推定され、日本では新規のHIV感染者・エイズ患者が1,095件報告されています。
HIV治療薬の進歩により、HIVに感染してもその後のエイズ発症を抑制することが可能となりましたが、HIV感染症自体は治癒することはなく、長期の薬剤服用が必要です。それゆえに、薬剤耐性ウイルスの出現の可能性や、HIV感染者の高齢化に伴う服薬アドヒアランス確保の問題、また長期のHIV感染に伴い発症する合併症などへの対応が求められています。これらの課題への取り組みとして、HIV感染症の根治を目指した実用化研究(ワクチン・治療薬・治療法等の開発、医薬品シーズ探索等)、それを支える基盤的研究(HIV感染の機構解明等)や、HIV感染症の合併症に対する治療法開発等の推進・実用化が必須です。
本事業では、HIV感染症の根本的解決につながるHIV感染症の根治療法に資する研究について、基礎から実用化に向けて一貫して推進します。あわせて、HIV感染症について感染機構や関連病態などの解析を進め、患者QOLの向上や医療経済上の負担軽減を目指します。また、若手研究者が研究開発代表者として実践的な環境下で研究を進められる機会を作り、HIV感染症研究の人的基盤の拡大を図ります。